文フリ告知! 『筑波批評2011秋』
文学フリマの開催が一週間後に迫ってきました!
なんと今年で文フリ10周年!
記念すべき今回は、場所を蒲田のPioから東京流通センターへ移しての開催です。
筑波批評2011秋
表紙は前回に引き続き、小川さんに担当してもらいました。
今回のイメージは街!
100ページ 500円
伊藤海彦「メタボリズムのシミュレーション――今井哲也『ぼくらのよあけ』と阿佐ヶ谷住宅」
奇跡の団地と称された阿佐ヶ谷住宅、そこを舞台に少年たちと宇宙船に搭載されたAIとのファーストコンタクトを描いたSFマンガ『ぼくらのよあけ』
何故この作品は阿佐ヶ谷住宅を舞台としたのか。
そしてまた、阿佐ヶ谷住宅はこの作品に描かれることでどのような可能性を示すのか。
1960年に提唱されたメタボリズム建築の、もしかしたら別様にもありえたかもしれない可能性をマンガの中に見出そうとする伊藤の論考です。
伊藤が筑波批評に掲載するものとしては、初めての作品論であり、また初めての巻頭でもあり、今までとは異なる、あるいは今までの論文とも通底する彼の文章をご期待ください。
「空想都市の歩き方――地理人インタビュー」
空想都市へ行こう! – 地理人がいざなう、空想地図の世界へようこそ。において、自らの作った空想の街「中村市」の地図を公開している地理人さんに、その創作の過程などを聞いてきました。
一方では、地図製作ということにとどまらない、創作全般にも繋がるような話でありながらも、またその一方では、1万分の1スケールの地図という(フィクションの創作としては)独特なジャンルによるこだわりを存分に感じさせる言葉は、地図に全く興味がない人にこそ読んでもらいたい。
フィクションの表現方法の1つとしての地図、というのは、文学フリマにおいて小説を書いているような皆さんにとっても興味をもってもらえる題材じゃないかと思っています。
シノハラユウキ「リアリティの諸相、あるいはシミュレーションの美――インタビューに寄せて」
サブタイトルにあるとおり、インタビューをしてきたシノハラによる感想文のようなもの。
地理人さんによる中村市の地図は、あまりにも「リアル」だけれども、その「リアル」とは一体何についての評価語なのか
という、まあいつもやっているような話の地図版なんですが、個人的には新たな着想のきっかけになったのではないかと思ってます。
対談 言語藝人・白石昇×島袋八起
タイ在住の白石昇さんと島袋八起の対談、というか、島袋八起によるのぼるちゃんインタビューという感じ。
のぼるちゃんは何故タイに行ったのかという話から始まって、タイ語と日本語の歌詞についての話などタイと歌にまつわる対談。
島袋八起「西洋音楽とJ−POPの歌詞――「もってけ!セーラーふく」論 準備編」
八起流歌詞論第2段!
西洋クラシック音楽の作曲学における楽理を、歌詞の分析へと応用する試み。
今回は、ラルクの歌詞と「もってけ!セーラーふく」の歌詞を比較しながら、歌詞の構成や形式をどのように分析していくのかという手法を丁寧に展開していく準備編。
ここで目指されるのは、「もってけ!セーラーふく」のような一見して意味をとることの難しい歌詞が、しかし決して無意味ではなく意味を持っているということを証していくこと。そこで、キャラクター的な読解を越えて、歌詞そのものの論理からの読解が試みられる。
委託販売『VOCALO CRITIQUE』
中村屋与太郎さんのサークル「白色手帖」より発行されている『VOCALO CRITIQUE』http://www.vocalo-critique.net/
既刊vol.1と新刊Pilotの委託販売を行います。
ボーマス17で初めて頒布されたvol.1は、キヨテル先生や猫村いろはなどで知られるAHS社の尾形社長や『ゲッカヨ』の清水編集長、聞き専ラジオのNezMozzさんや、有名ボカロPである山本ニューさんなど豪華な執筆陣を揃え、また他に類を見ないボカロ批評専門誌とあって、ボーマスでもその後の通販でも大反響を呼んだ雑誌です。
Pilotは、新刊と銘打っていますが、実は前回の文学フリマで、コピー本として39部が限定販売されたものの再版となります。ですが、編集されなおした上で、さらに書き下ろしもついていくるので、装いも新たに再登場という感じになってます。こちらは、島袋八起やシノハラユウキによるボカロ論も収録されています。